マンチェスターUのジョゼ・モウリーニョ監督(53)が本拠地オールドトラフォードのボールボーイ、ボールガールたちをクビにした。

 英ミラー紙によると、同監督は1-1のドローに終わった15日のリバプール戦で、それまでのボールボーイに代わり、マンU下部組織の選手たちをピッチの周囲に配したという。

 これまでボールボーイは慈善団体である「マンU基金」に選ばれた普通の子供たちが務めていた。だがモウリーニョ監督は彼らの仕事に満足することができなかったという。

 自軍が攻めている時にはすぐにボールを渡し、試合終盤に時間稼ぎしたい時にはゆっくりとボールを戻すような、もっとサッカーを理解しているボールボーイを求め、その役割をマンU・U-16チームの選手たちに託したのだ。しかもその選手たちにボールボーイとしての指導まで行ったという。

 モウリーニョ監督はチェルシーを指揮していた時にも、ボールボーイをめぐって何度もトラブルを起こした。

 14年12月のニューカッスル戦に1-2で敗れた後、敵地のボールボーイが意図的にゆっくりと時間を使ってボールを戻したとクレームをつけた。1年後のレスター戦でもボールボーイに詰め寄るシーンが見られた。

 また14年3月には、イングランド協会の処分こそ免れたものの、クリスタルパレス戦でプレーを遅らせたボールボーイに対して「お前は(ウチの選手たちに)ぶん殴られるぞ」とどう喝。勝利への執念といえば聞こえが良いが、大人げない態度を満員のファンの前でさらしてしまった。

 勝つためにあらゆる手段を使うのはプロとしては当然だ。だが一方で、ボールボーイとしてプレミアリーグの試合に関わることを楽しみにしていた一般の子供たちの夢が失われてしまうと思うと、ちょっとかわいそうに思えてくる。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)