イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)は、選手投票による今季のMVPにチェルシーのフランス代表MFエンゴロ・カンテ(26)を選んだ。フランス人の受賞はカントナ、ジノラ、アンリに次ぐ4人目となる。

 カンテは昨季、岡崎慎司とともにレスターで初優勝。今季加入したチェルシーでは1得点1アシストながら、タックルやインターセプトなど、主に守備でリーグ首位のチームを支えている。

 多くの関係者から手放しで称賛を浴びるカンテだが、ここにきて同MFのMVP受賞に異議を唱える媒体がでてきた。マンチェスター・イブニングニューズ紙だ。

 同紙はフェイスブックで、MVPはカンテではなく、マンチェスター・ユナイテッドのスペイン代表MFアンデル・エレラ(27)であると主張。「エレラは過小評価されている」という両者の比較映像を作成した。


 その時からカンテがさらに1試合消化しているので、数字を若干補足して紹介しよう。


▽出場 エレラ(26試合、2180分)-カンテ(32試合、2868分)


▽パス数 エレラ(1875本)-カンテ(1952本)


▽キー・パス(得点にはならなかったがシュートした選手への最後のパス) エレラ(29本)-カンテ(19本)


▽チャンス・メイド(キー・パス+アシスト) エレラ(35)-カンテ(20)


▽デュエル(1対1の勝利確率) エレラ(47%)-カンテ(40%)


▽インターセプト エレラ(79)-カンテ(77)


▽シュートブロック エレラ(7)-カンテ(4)


▽クリア エレラ(58)-カンテ(44)


 こうして見ると数字的には甲乙つけがたい。ただカンテは、その高い危機察知能力による的確なカバリングなど、数字に表れていない部分でも高く評価されている。そして何よりもチームを首位に立たせている。そういう意味ではカンテがMVPで妥当なのではないだろうか。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)