アイスランドが、9日に首都レイキャビクで行われたW杯ロシア大会欧州予選I組最終戦のコソボ戦に2-0で勝利。初の本大会出場を決めた。

 前半40分にMFギルフィ・シグルズソン(28=エバートン)のゴールで先制。後半23分にもそのシグルズソンのアシストから、MFヨーハン・グズムンドソン(26=バーンリー)が2点目のゴールを決めて、悲願のW杯出場をたぐり寄せた。

 アイスランドは昨年の欧州選手権でサッカーの母国イングランドを破るなど旋風を巻き起こし、8強入り。「バイキング・クラップ」と呼ばれる、掛け声とともに手をたたく勝利の儀式はすっかり有名になった。今予選でも勢いはそのままに、本大会への切符を勝ち取った。

 アイスランドの人口はわずか33万5000人。これまでW杯に出場した国の中でもっとも少ない数だ。英ガーディアン電子版によると、W杯出場国を人口の少ない順にランキングすると(1)アイスランド(2)トリニダード・トバゴ(130万人)(3)北アイルランド(185万人)(4)スロベニア(208万人)(5)ジャマイカ(289万人)(6)ウェールズ(310万人)…になるという。いかにアイスランドの33万という数が飛び抜けて少ないか分かると思う。

 アイスランドには、Jリーグと同様に春秋制の国内リーグがある。だがコソボ戦に名を連ねたスタメン11人中、アイスランド1部リーグでプレーする選手はゼロだ。

 イングランドのクラブに所属する選手(1、2部合計)が6人、スコットランド、セリエA、スウェーデン、ロシア、デンマークでプレーする選手がそれぞれ1人ずついる。各選手が高いモチベーションを持って海外のリーグで活躍し、それを代表に還元しているのだ。

 歯科医でもあるヘイミル・ハルグリムソン監督(50)はW杯出場について「とても変な感じだよ。何て言ったらいいのか。だってペレ、マラドーナ…アーロン・グンナルソンだよ」。偉大な選手たちが活躍したW杯の舞台に立つことになった自軍の主将の名前を挙げて笑顔を見せたという。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)