2045年までに、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(30)を実力で上回る“サッカーロボット”が開発されると、AI(人工知能)の専門家が断言した。

 英デーリースター電子版は、人工知能の技術者で未来学者のイアン・ピアソン氏をインタビュー。同氏は「あとたったの28年で、人間よりも速く走り、上手にドリブルし、強烈なシュートを打ち、もっと正確にパスを出すことのできるロボットが誕生する。メッシより上かって? ロボットたちはメッシよりはるかに上手だろうね」と予言した。

 ピアソン氏は「どのスポーツでも、ロボットの方が重いものを持ち上げ、高くジャンプし、速く走ることができるようになる。サッカーなら、素早く切り返し、強いシュートを打てるようになる」と説明。

 また「ロボットであれば1台に技術を仕込めば、ロボット同士のコミュニケーションにより、すべてのもので同じことができるようになる」と、利点を強調した。

 人間は言葉でしかコミュニケーションをとることができないが、ロボットは他のロボットと電気信号でやりとりをするので、まったく同じ技術がすべてのものに伝達できるという。

 ただピアソン氏はロボットが人間に混じってプレミアリーグなどでプレーする可能性は低いと見ている。なぜなら「ロボットたちは美しい競技であるサッカーを、死ぬほど退屈なものに変えてしまうからだ」。

 ロボットたちの正確無比なパス能力は試合から予測不能なプレーを奪い、ファンはもう1度スタジアムに足を運ぼうという気にはならないという。ピアソン氏は「ロボットが200マイル(約322キロ)で走り回り、シュートを決め続けるのは、見ていて面白いものではない」と話した。

 サッカーの魅力は、どんなことでも起こり得る予測不可能な部分。そして「そんなプレーがあるなんて」とファンを驚かせる創造性。それらをロボットに求めるのは容易ではないのだろう。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)