ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が、ローマとリバプールのオーナーが実質同じで、2クラブが共謀していると指摘した。ガゼッタ・デロ・スポルト紙の情報をもとにESPN電子版が報じた。

 デ・ラウレンティス会長はガゼッタ紙とのインタビューで「数年前、小鳥が私にささやいたんだ。『ローマの米国人CEOジェームズ・パロッタ氏とリバプールの米国人オーナー、ジョン・ヘンリー氏が極秘にパートナーシップを結んでいる』とね」と発言。

 さらに「私は前からローマとリバプールのオーナーは実質同じなんじゃないかと疑っていた。もしそれが本当であれば2クラブは欧州チャンピオンズリーグ(CL)から締め出されなければならない」と話した。昨季のCL準決勝ではリバプールがローマを下したが、CLの規定ではオーナーが同じ2つのクラブは、どちらか1つしかCLに出場できないことになっている。

 このデ・ラウレンティス会長からの訴えを受け、ローマのパロッタCEOはクラブ公式ツイッターでジョークを交えて反論。「アウレリオがもう1度、小鳥を見つけたのなら、我々がバルセロナとバイエルンも所有していることを発見するだろうね」と記した。

 デ・ラウレンティス会長が2クラブを疑う理由は、今夏ローマがブラジル代表GKアリソンをリバプールに売却した際のこと。ナポリはローマに対し、6000万ユーロ(約78億円)のオファーを出したがあっさり却下。その後、リバプール行きが決まったという。

 また昨年エジプト代表FWサラーがローマからリバプールへ移籍した際も、移籍金が格安ともいえる4200万ユーロ(約54億6000万円)だった。これらの出来事によってデ・ラウレンティス会長の疑念はますます膨らんでいった。

 ただローマのパロッタCEOによると、サラーをリバプールに売却した際、リバプールのヘンリー・オーナーからは4200万ユーロでも「払いすぎなのでは」と値引きを求められたという。

 いずれにしてもデ・ラウレンティス会長にささやいた小鳥とは何(誰)なのか。ローマのジェネラル・ディレクター、マウロ・バルディッソーニ氏は「アウレリオはナンセンスなことを言う鳥じゃなく、もっと素敵な歌を奏でる鳥と話をした方が良いね」とからかっていた。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)