マンチェスター・ユナイテッドの指揮官を退いたジョゼ・モウリーニョ氏(55)が、グアルディオラ(マンチェスター・シティー)クロップ(リバプール)両監督の成功は、クラブの全面的なサポートがあったからだと指摘した。ESPN電子版が報じた。

同サイトによると、モウリーニョ氏はビーイン・スポーツの取材に対し「マンCとリバプールがプレミアリーグのトップに来ることに驚きはない。両監督にはチームをどのように編成するかの権限が与えられているからだ」と話し、マンUでは自分にそのような力がなかったと説明したという。

モウリーニョ氏はマンCグアルディオラ監督の初年度と2年目を例に挙げ「ペップは1年目に優勝できなかった後、思い切った決断をした。そしてそれはクラブに支持された。サバレタ、サニャ、コラロフ、クリシーと4人ものサイドバックを放出。代わりにウォーカー、メンディ、それから覚えていないがジンチェンコ、デルフ(実際にはこの2人の獲得時期は前出4人の放出とは時期がずれていたが)らを獲得した。ペップにはクラブのサポートがあったんだ」と説明。

リバプールについても、クロップ監督が就任してからFWサラー、FWマネ、GKアリソンら主力のほとんどを獲得したと指摘した。

モウリーニョ氏によると、3度プレミアリーグを制したチェルシー時代には、自分の思うようにチームを組み立てることができていたという。04~05年シーズンが同氏のチェルシーでの初年度だったが、クラブを買収したばかりのアブラモビッチ・オーナーの野心もあり、FWドログバやDFカルバーリョら的確な補強でリーグを制する結果となった。

マンUでは最後まで自分の思い通りの補強ができなかったと嘆くモウリーニョ氏。ただスールシャール監督に代わったとたんにチームは連勝街道まっしぐら。サッカーは選手の能力、戦術など、さまざまな要素が複雑に絡み合い、それが勝敗に表れるもの。自分好みの選手を集めるだけで勝てるという単純なものではない気がするのだが。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)