チェルシーのベルギー代表MFエデン・アザール(23)が「自分はまだ世界で5指に入る選手たちには及ばない」と話したという。英複数メディアが報じた。

 アザールは今季、持ち味の高速ドリブルを武器に開幕からクラブをけん引。チェルシーは、6勝1分けと唯一無敗で首位を突っ走っている。

 5季ぶりの優勝に向け、欠かせない存在となった背番号10に対し、チェルシーは新たな5年契約を結ぶとも言われている。そんなエースが、自分はまだまだで、目指すべき目標がいるという。それは誰なのだろうか。

 英国の高級紙テレグラフ(電子版)によると、アザールは「僕はまだトップ5の選手じゃない。近づいてはいると思うけど、いくつかの部分でまだ向上しなければならない。最高峰の試合で勝負を決定付ける働きができれば、トップ選手の仲間入りと言えるけど、自分はそれを始めたばかり」と説明したという。

 そしてベスト5については「ロナルド(Rマドリード)とメッシ(バルセロナ)は宇宙人だ。それからイブラヒモビッチ(パリサンジェルマン)、リベリ、ロッベン(ともにBミュンヘン)。彼らはほとんど毎試合、違いを生み出している」と名前を挙げた。

 テレグラフ紙がアザールの姿勢について、どちらかというと謙虚だというトーンで記事にしているのに対し、タブロイド紙のサン(電子版)は正反対の見出しをつけた。「世界で僕よりうまい選手は5人しかいない」と、なんとも傲慢(ごうまん)な感じのタイトルだ。

 ただ、冷静に考えると、サンの報道姿勢に肩入れしたくなるのは筆者だけだろうか。たしかにアザールは良い選手だ。チェルシー・モウリーニョ監督が言うように、ロナルドやメッシのレベルを狙える選手であることは間違いない。

 だがタイプはいろいろあるにせよ、ネイマール(バルセロナ)やディマリア(マンチェスターU)、アグエロ(マンチェスターC)ベール(Rマドリード)らそうそうたるスターたちが、アザールより実力が下だろうか。アザールは「自分はまだ世界ベスト20のグループに入りかけたばかり」とでも言えば良かったのではなかろうか。

 この2つの記事を読み比べ、サンもなかなか嫌みで良い見出しをつけるではないかと思ったしだいだ。決して、日刊スポーツの日本での立ち位置がテレグラフよりはサン寄りだから、共感しているわけではないということだけは付け加えておきたい。