チームメートとの乱闘は当たり前。アルコール依存症や暴行事件での服役など、数々の問題を起こしてきた元イングランド代表MFジョーイ・バートン(32=クイーンズパーク)が、今度はF1チャンピオンのルイス・ハミルトン(29=英国)にかみついた。

 ハミルトンは14日、英BBCが主催する「スポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤー賞(英国の全スポーツの中の最優秀選手を表彰する賞。各単語のイニシャルをつなげてSPOTYとも言われる)」を受賞。この選出をバートンは快く思わなかったようだ。

 バートンは短気で、カッとなると手がつけられない、まさに「狂犬」とも言うべき人格の持ち主。だが一方で頭が切れることでも知られ、ツイッターに記されるウイットに富んだつぶやきは、約280万人のフォロワーを集めている。

 そのバートンが、ツイッターでハミルトンを攻撃した。

 「ハミルトンがSPOTYを受賞なんて信じられない。F1は最も退屈なスポーツで、しかもヤツは税金逃れをしている」

 「マキロイはゴルフのメジャー大会を何度も勝っているし、ライダー・カップも勝った。フローチはボクシングの世界王者だ。他のどの候補者もハミルトンよりは受賞にふさわしい」

 「税金逃れをしているヤツは、納税者によって選ばれる賞から除外されるべきだ」

 「ハミルトンは受賞すべきじゃなかった。ヤツは英国人にとっての最悪の模範だ。今日は我々の歴史の中で悲しむべき日だ」

 これらのコメントをどとうのようにつぶやくと、「F1は80%が車で、才能は20%。ゴルフは5%が道具で、95%は才能。マキロイは賞を盗まれた」などと同調するフォロワーも現れ、F1バッシングにまで発展した。

 バートンの言う「税金逃れ」とは、ハミルトンがモナコ在住であり、英国では納税していないという意味。だがこの部分に関してはハミルトンにも反論があるようだ。

 英メトロ紙(電子版)によると、ハミルトンは「人々は僕が英国で納税しているということを知らない。ただ僕はすべての収入をここで得ているわけじゃない。20の違う地域で賞金を受け取り、複数の場所で納税をしている。もちろん英国でも納めているよ」と説明している。

 ただ同紙のインターネット調査によると、ハミルトンの受賞がふさわしくないと考える読者は16日の時点で44%もおり、ふさわしいと考える人に肉薄している。狂犬バートンの指摘もあながち的外れなものではないのかもしれない。