武藤嘉紀が所属するマインツは、先月30日から8月6日まで、イタリアのバッレ・ダオスタ州でプレシーズン2次合宿を敢行した。しかしながら大衆紙「ビルト」によると、マーティン・シュミット監督はその最終日に、またしても選手を山に向かわせたようだ。

 マインツの一行が目指した先は、標高1500mのところにある山小屋「ラゲット・ディ・パッル」。ただし、クラブ公式TVチームを含む広報などは滞在先のホテルに残され、登山を行ったのは指導者陣、現場スタッフ、選手に限定されたという。

 シュミット監督は出発前、「バーベキューをしにいくだけだよ」と、不敵な笑みを浮かべて話したそうだが、実はこれ、新シーズンのチーム目標について同監督が初めて話をするという、極めて重要なミーティングだったことが後に分かっている。

 シュミット監督はこの山小屋会議について、「まず昨シーズンの分析を行い、チーム、そして個々が『何をすべきか』をはっきりとさせた。そして間もなく始まるブンデスリーガ、欧州リーグに向けて、我々のモットーも決めた」と話しているが、ビルト紙によれば、内部での結束をより強固にするため、最後にはその場にいた全員に署名まで求められたという。

 今年1月、マインツはスペイン合宿へ旅立つ前、シュミット監督の祖国スイスで標高2400mの雪山に登り、チーム全員が協力し合ってテントの中一晩を過ごすという、まるで軍隊のようなイベントを行った。そしてその甲斐あってか、後半戦だけを見ればBミュンヘン、ドルトムント、レバークーゼン、ボルシアMGに次ぐ5位の成績となり、第17節終了時の8位から最終的に6位へ浮上。クラブ史上初の欧州リーグ本戦出場権を獲得している。

 シュミット監督が行う“登山チームビルディング”は本物なのか-その答えは、来週末に開幕を迎えるブンデスリーガ2016-17シーズンで明らかとなる。