Bミュンヘンの現指揮官で、これまでACミランやRマドリードに欧州CLのタイトルをもたらしてきたカルロ・アンチェロッティ監督が、選手にドイツ語の習得を義務付けた。

 大衆紙「ビルト」によると、アンチェロッティ監督はBミュンヘンへの就任が決まった昨年12月から、実際に任務が開始されるまでの半年間、前任者ジョゼップ・グアルディオラ監督がそうであったように、ほぼ毎日ドイツ語の個人レッスンを受けていたという。

 また同監督は2月の時点で、「2009年にイタリアを去るまで、私は外国語を1つも話せなかった。しかしイングランドでも、フランスでも、スペインでも(言葉の問題は)うまくクリアできた。ドイツでもそうなることを願っている。もちろんドイツ語が非常に難しい言語であることは分かっているが、すでに集中的に勉強している。きっと話せるようになるさ」とコメントしていた。

 そしてその言葉通り、今年7月の就任会見では質疑応答のほとんどをドイツ語でこなし、その数日前に始まっていたトレーニングも、すべてドイツ語で行っていることを明かしている。また、就任後の現在もアンチェロッティ監督は週に2回、ドイツ語教師マックス・シュテーグミュラー氏から授業を受けているそうだ。

 同監督は自伝の中で、言語についてこう記している。

 「ある国に行ったら、その国の言葉を話したいと思っている。それこそが、非常に重要なことなんだ。その国の言語を勉強しない人間は、決してプロフェッショナルだとはいえない」

 ちなみにビルト紙によると、アンチェロッティ監督がドイツ語習得を強く要求している相手は、レナト・サンチェス、ドゥグラス・コスタ、キングスレイ・コマンの3人。今夏加わったばかりのサンチェスは仕方ないが、すでに1年以上在籍するコスタやコマンの語学力は、同監督の求める水準にまだまだ達していないらしい。

 50歳を超えてからフランス語、スペイン語、英語を習得し、現在はドイツ語に取り組んでいるアンチェロッティ監督。そのプロフェッショナリズムは、やはり本物であるようだ。