本来敵同士であるはずの2組に、固い団結が生まれている。

 2月19日のブンデスリーガ第23節で、長谷部誠と鎌田大地が所属するフランクフルトは、ホームにライプチヒを迎える。一見、なんの変哲もない通常のリーグ戦のようにも思えるが、実はこの日は月曜日。フランクフルトの地元メディア「ヘッセンシャウ」や大衆紙「ビルト」によると、2015-16シーズン第32節ブレーメン対シュツットガルトのように、セキュリティーなどの理由からイレギュラーで月曜に開催したことは過去に何度かあったものの、ブンデスリーガを運営するドイツ・フットボールリーグ社(DFL)が明確な意思のもと週初の平日にリーグ戦を開催するのは、今回が初めてのことだという。

 フランクフルトのファンクラブを運営する一人、ユーゴ・ユーゴビッチ氏はドイツ国営第一放送内の番組「シュポルトシャウ」の取材に対し、こう答えている。

 「ドイツサッカー界にとって月曜にリーグ戦を行うことは、ファン文化の“終わりの始まり”だ。月曜夜にアウェーに行くとなれば、月曜と火曜に仕事を休まなければならない。例えばそのファンがアウグスブルクに住む学生ならば、(月曜夜の)ドルトムントでの試合に行けるはずもない」

 DFLはブンデスリーガのファン文化を壊している-そう判断した彼らは19日の試合に横断幕やチームフラッグを一切持ち込まず、チャントを含むすべての応援をボイコットすると決断。また昨季の同カードでは約2000人のライプチヒファンがフランクフルトに駆け付けたが、抗議活動に同調するため今回は大半が地元に残ることとなり、約330kmの道のりを経てスタジアムにやってくるサポーターはわずか300人だという。

 ビルト紙によると、クラブ側はこの件について残念に思っているものの、彼らファンの考えにも理解を示しており、今後同じように月曜開催に該当する可能性もあるハノーバーのホルスト・ヘルトSDも「ファンにとって公平であるようにする責任が我々にはある。ブンデスリーガはファンがいなければ生きてはいけない」とコメントしている。