<クラブW杯:G大阪1-0アデレード(オーストラリア)>◇14日◇豊田◇準々決勝

 G大阪西野朗監督(53)がベンチに座っていたのは開始直後の15分間だけ。その後は最後まで立ったまま指揮を執り続けた。初めて挑むクラブW杯の舞台に熱くなった。1点リードのまま、後半の長いロスタイム4分に突入。失点のピンチには、集中力を取り戻すかのように頭を何度も振った。そして終了の笛。両腕を広げ何度もガッツポーズを繰り返した。

 西野監督

 CWCの厳しいステージで1勝を挙げた選手に、すばらしい評価をしたい。

 ACL決勝では2戦合計5-0と大勝したが、アデレードとの3度目の対戦は難しい試合になった。開始20分にMF佐々木、後半39分にもMF二川が負傷退場。アクシデントで2枚の交代カードを失った。中盤の佐々木に代えて投入したのはFW播戸だ。

 西野監督

 攻める姿勢のメッセージ。押し込まれていたし、2トップにして、リズムチェンジが必要だった。

 ついに夢の対決へと駒を進めた。マンチェスターUには、86年から20年以上も指揮を執るファーガソン監督がいる。Jリーグ最長となる就任7シーズン目の西野監督にとっては、偉大な名将との対戦だ。

 西野監督

 ファーガソンと言ったって、同じ(人間)だと思いたい。そんな自分がどこかにいる。マンUでもガンバでも同じだと思いたい。おくすることなくやりたい。

 96年アトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を起こした同監督が、たどり着いた世界との「再戦」だ。信念を曲げず、攻撃的スタイルを貫いて、真っ向からぶつかっていく。【益子浩一】