C・ロナウドが「新兵器」で世界最高の技を披露する-。欧州王者マンチェスターU(イングランド)が18日、トヨタ

 クラブW杯準決勝でG大阪と対戦する。17日、横浜市内で公式練習を行い、MFクリスティアーノ・ロナウド(23)は今大会から初使用する黄緑色のシューズで登場した。ピッチの芝と同じ色のように見える蛍光カラーの足元からG大阪を幻惑する。

 雨がしとしと降り続く中、C・ロナウドは初めて試合会場の横浜国際総合競技場のピッチに足を踏み入れた。芝の感触を確かめるようにMFナニとパスを繰り返す。全体ランニングに移る際には足元のボールを拾い、約20メートル離れたゴールめがけ、右足のチップキックでシュート。緩やかな弧を描き、ボールはゴールネットを揺らした。

 練習が公開されたのは冒頭の約15分だけ。時折、7日のサンダーランド戦で痛めた左腰に手をやり、表情をしかめたが、細かく鋭いステップワークは、いつもと変わらない。ライトアップされた鮮やかな緑色の芝で、黄緑色のシューズの感触を確かめていた。

 この大会に向けて準備したシューズはナイキ製の「マーキュリアル・ベイパー」の新作。片方196グラムの世界最軽量で、スピードとテクニックを武器とする選手が好むタイプだ。しかも黄緑色は世界に先駆け、C・ロナウドが今大会で初めて実用する。足元がピッチの色と「同化」することで、高速フェイントの切れ味は増し、「魔球」と表現される無回転FKはさらにGKを幻惑するはずだ。

 2日にバロンドール(世界優秀選手)を受賞後、初の国際試合となる。ファーガソン監督はこの日の記者会見で「明日は出す。現在の彼は信じられない技術と勇敢さを見せる。年々増える得点数は向上心の表れだ」とべた褒め。知人でメジャー大会通算9勝のプロゴルファー、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)の名前を持ち出し「練習中は(ボールを出すのは)不可能と思えるバンカーから直接ホールを狙っていた。大会になれば必ず同じ状況がある。その準備を怠らなかった」。全体練習後、いつもFKを繰り返している愛弟子の姿を往年の名プロゴルファーに重ねた。

 来日3日目もメディアとの接触はなかったが、強いまなざしに世界一への意気込みがにじむ。「ロナウド伝説」がいよいよ18日、横浜から世界へ発信される。【佐藤隆志】