【ミュンヘン(ドイツ)=中野吉之伴通信員】第1戦を1-3で落としていたBミュンヘン(ドイツ)が、ポルト(ポルトガル)に大勝した。ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ(26)の2ゴールなど前半だけで5点を挙げ、2戦合計7-4で4季連続の準決勝進出となった。

 試合前、Bミュンヘン側のスタンドに「NIEMALS AUFGEBEN!(絶対に諦めない)」の人文字が作られた。これが選手の心に火を付けた。前半14分にMFティアゴ、22分にDFボアテングがいずれも頭で押し込んで、早くも2戦合計3-3のタイに持ち込んだ。

 極め付きは27分のFWレバンドフスキのゴール。MFラームの右クロスを、ゴール右のMFミュラーがダイレクトで中央へパス。レバンドフスキが強烈なヘディングをたたき込んだ。すべて浮き球のパスで、ボールが1度も地面へ落ちることなくゴールへ吸い込まれるのを、相手守備陣は棒立ちで見守るだけだった。

 その後もミュラー、レバンドフスキが加点し、前半だけで5得点を挙げた。グアルディオラ監督はズボンの横を破いてしまうほどの大喜び。レバンドフスキも「多くの人がもうだめだと思っていたみたいけど、僕らはBミュンヘンだ。前半だけで5-0はクレージーだよ。信じられない夜だ。全部勝ち取れる」と興奮が収まらななかった。まだハーフタイムだというのにスタンドではスタンディングオベーションが起きた。

 後半にもMFシャビアロンソのFKで1点を加えたBミュンヘンは6-1で圧勝。5度のCL制覇を誇る強豪は、選手全員に勝者の遺伝子が宿っているようだった。「準決勝では新しいズボンをはくよ」と笑ったグアルディオラ監督。「戦術やシステムは重要だが、このレベルではメンタルの強さが勝負を分ける」と、第1戦の劣勢をひっくり返した選手たちのたくましさをたたえた。