ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が“空気”のような扱いを受けた。29日(日本時間30日)のジェノア戦で5試合ぶりに先発復帰したが何もできず後半9分で交代。チームも大敗した。翌30日付ガゼッタ・デロ・スポルト紙から「その存在に誰も気がつかなかった」と酷評された。

 何ひとつ見どころのない試合だった。壊滅状態の名門ミランにガラガラのゴール裏サポーターは「BASTA(バスタ=もうたくさんだ)」と大きな文字をかかげて抗議。先発復帰した本田は、何もできなかった。落第の4点をつけたガゼッタ紙が「彼もいたが、その存在に誰も気がつかなかった」と書いた程度のプレー。後半9分に交代した。

 交代時にブーイングされると、そのサポーターに向け頭の上で拍手をしてピッチを後にした。これをイタリアのメディアは「皮肉」「挑発的な態度」と伝えた。本田は試合後、軽く頭を下げただけで無言のまま取材エリアを通り過ぎた。真意は分からないがサポーターを敵に回しても仕方ない態度だった。今季のミランは、もはやすべてが終わってしまったようだ。インザギ監督の去就や、クラブの株式の一部がタイと中国の富豪の一方に売却される話も含め、すべてが不透明。そんな中で背番号10も“空気”のような扱いに成り下がってしまった。【波平千種通信員】