ユベントス(イタリア)がアウェーで昨季王者のRマドリード(スペイン)と引き分け、2試合合計3-2で12季ぶりの決勝進出を決めた。6月6日にドイツ・ベルリンで行われる決勝で、5度目の優勝を狙うバルセロナ(スペイン)と対戦する。

 夏を告げるかのようにこの日、最高気温37度を記録したマドリード。だがスタジアムの熱さはそれ以上だった。初戦を2-1で先勝したユベントスは、敵地で王者の猛攻を浴びた。前半23分にPKから先制点を奪われた。その後も押し寄せるレアルの波状攻撃。GKブフォンを中心にしのぎ、チャンスをうかがった。

 0-1の後半12分。FKからMFポグバの折り返しをFWモラタが胸トラップから左足を振り抜き、値千金の同点ゴールを挙げた。昨季まで所属した古巣レアルに敬意を表して、ゴールパフォーマンスをしなかったモラタは「奇妙な感覚だった。僕にとっては、複雑な状況だったからね」と控えめに喜んだ。レアルの22本のシュートをPKだけの1点に抑え、狙い通りの決勝進出だ。アレグリ監督は「選手たちはよく守った。最後まで突破を信じた我々は決勝進出にふさわしい」と選手たちを称賛した。

 06年に各試合の主審の指名に介入するなどの不正が発覚し、セリエBへの降格処分も受けた。試練を乗り越え、再び欧州舞台で復活した。ブフォンは「目標は達成した。全員が全身全霊を込め、本当に良くやったよ。大きなチャンスだ」。前回の02-03年決勝はPK戦で敗れただけに、自身初の優勝へ意欲を示した。【山本孔一通信員】