米司法省は27日、組織的な違法行為と贈収賄の罪で国際サッカー連盟(FIFA)関係者9人を含む計14人を起訴したと発表した。このうち現職FIFA副会長2人ら7人がチューリヒで逮捕された。

 FIFAの幹部らには91年から24年間で、賄賂として1億5000万ドル(約180億円)以上が渡った。見返りに国際大会でのスポンサー権などを与えたとしている。10年W杯開催国選定や11年のFIFA会長選挙に絡む疑いもある。

 この件とは別に、スイスの検察当局は18年と22年の両W杯招致に関連した不正や資金洗浄容疑で捜査を開始し、FIFA本部から電子データなどを押収したと発表した。「金権体質」を批判されるFIFAが、公的捜査機関の追及を受ける。

 逮捕された7人にはウェブ(ケイマン諸島)フィゲレド(ウルグアイ)の両FIFA副会長やコスタリカ、ニカラグア協会の現会長が含まれた。元FIFA副会長のワーナー氏、元南米連盟会長のレオス氏や、スポーツ関連代理店の幹部が起訴された。米国のリンチ司法長官らはニューヨークで記者会見する予定。

 FIFAのデグレゴリオ広報ダイレクターは記者会見し「FIFAは被害者。イメージは傷つき、この状況に苦しんでいるが、われわれの訴えで捜査が進んでいるのはいいことだ」とした。ブラッター会長の責任については「彼は一連の逮捕や起訴には無関係」と繰り返し主張し、18年のロシア、22年のカタールの両W杯の開催に変更はないとした。

 5選を目指すブラッター会長と、ヨルダンのアリ王子が立候補している会長選挙が行われる29日の総会は予定通りに開催する。両W杯の招致についての捜査では、開催地を決めた10年の理事会で投票した10人から事情聴取する。