米司法省の要請でスイスの捜査当局が現職の国際サッカー連盟(FIFA)副会長2人を含む7人を逮捕した舞台となったチューリヒ湖畔の高級ホテルは27日、終日にわたって緊迫した雰囲気に包まれた。

 29日の総会で、新たにFIFA理事に就任する日本サッカー協会の田嶋幸三副会長は、FIFA役員の宿舎となるこのホテルに宿泊しており「いつもはあいさつを交わす南米連盟関係者が、けさはよそよそしかった。ロビーが騒然としていた」と話した。

 普段はロビーへの出入りは自由だが、早朝の逮捕劇の後は宿泊者以外の敷地内への立ち入りは警備員によって厳しく制限された。ホテルの前には取材のために押し掛けた大勢の報道陣が集まり、午後9時を過ぎても10台以上のテレビカメラが並ぶなど、世界的な関心の高さがうかがえた。