国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で米司法省に起訴されたワーナー元副会長(トリニダード・トバゴ)とレオス元理事(パラグアイ)は2018、22年W杯招致に絡む不正を含め、何度も疑惑の調査を受けていた。ともに長く要職を務めブラッター会長とも親しい大物だったが、FIFAの調査に追い詰められた形で既に辞任している。

 北中米カリブ海連盟会長としてブラッター会長の票集めに協力したワーナー氏は過去にW杯入場券の不正販売や国際試合に絡む契約金横領などの疑いで告発を受け、あるFIFA関係者は「疑惑のデパート」と評する。4年前の会長選でブラッター会長の対立候補の贈賄に加担したとして暫定活動停止となり、国政に専念するとして辞任した。

 南米連盟会長だったレオス氏も長く黒いうわさがつきまとう人物だった。01年に倒産したFIFAのマーケティング代理店、ISL社との贈収賄で再調査が進んでいた13年4月に健康上の理由でサッカー界から退いた。

 ただ2人がFIFAを離れても、北中米カリブ海と南米に巣くう汚職の構造は変わらなかった。ワーナー氏を引き継いだウェブFIFA副会長(ケイマン諸島)、レオス氏に代わって南米連盟会長となったフィゲレドFIFA副会長(ウルグアイ)も起訴された14人に含まれている。