汚職事件の渦中にある国際サッカー連盟(FIFA)が29日、スイスのチューリヒでの総会で注目の会長選挙を行った。大きな批判にさらされる中、投票前に5選を目指して演説したブラッター会長は張り詰めた表情で「私はあなた方とともにある。あなた方と一緒に続けたい」と身ぶりを交えて熱く語ると拍手が起きた。

 刷新をテーマに掲げて立候補したアリ王子は緊張の面持ちで先に演説し「協力してほしい。一緒に新しいFIFAの始まりを迎えよう」と訴えた。

 総会前は、2022年ワールドカップ(W杯)開催国であるカタールに出稼ぎする労働者の人権保護をFIFAに求めるデモが繰り広げられるなど、会場周辺は騒然とした雰囲気に包まれた。会議冒頭にもブラッター会長が演説している最中に女性が「FIFAにレッドカードを」と叫んで会場内に進入し、警備員に連れ出されるなど不穏なムードだった。