29日に行われた国際サッカー連盟(FIFA)の会長選挙を日本協会の大仁邦弥会長と田嶋幸三副会長が現地で見守った。投票した大仁会長は「誰に入れたかは今後いろいろな影響が出るので」と明言を避けた。「どちらが世界、アジア、日本のサッカーにとっていいのかは考えた。アリ王子への投票があれだけ多かったのはFIFAに対する批判票」と感想を述べた。

 田嶋副会長は、アリ王子の健闘に「ムードとしては、もっと取ってもおかしくなかったと思うが、そんなに甘くなかったのだろう」と分析した。2度目の投票前に辞退したことについては「60票差で『勝ち目がない』と思った人が勝ち馬に乗ろうとすると、もっと差が開く可能性がある。彼の判断は正しいと思う」と理解を示した。

 FIFA元理事の小倉純二・日本協会名誉会長は国内でブラッター会長の5選を見届け「アジアやアフリカなどは大陸連盟としてブラッター会長を支持するという縛りがあった。明確に対抗するのが欧州だけでは、やはり(会長交代は)難しい」と話した。