国際サッカー連盟(FIFA)の汚職問題は開幕が6日(日本時間7日)に迫り、女子日本代表「なでしこジャパン」が2連覇に挑む女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会にも暗い影を落とす。ブラッター会長の来場予定はいまだに決まらず、開幕戦が会長不在で開催される異例の事態となりそうだ。

 4日に行われた主催者による開幕前の記者会見。大会への期待感を高める狙いで設けられた場には、緊迫感が漂った。会場となったバンクーバーのホテルの会議室には20台近いテレビカメラが並び、約80人の各国報道陣が詰め掛けた。賄賂送金に関与した疑いのあるバルクFIFA事務局長は当初の予定を変更して姿を見せなかった。

 質疑応答の冒頭に「FIFAに関する話が大きく報道されているが、われわれはこの大会に関する質問に答えるために出席した」と司会者がくぎを刺した。しかし、質問は汚職問題の関連に終始した。

 カナダ・サッカー協会のモンタリアニ会長は、今回の女子W杯招致に不正があったかを問われ「全くない」と語気を強めて否定した。FIFA理事のヌセケラ女子委員長は、汚職問題についてのコメントを控えた。

 ただ、入場券の売れ行きは好調で、地元カナダが中国と対戦する開幕戦はカナダの代表戦史上最多という5万2000人の入場が見込まれている。モンタリアニ会長は大会への影響について「チケットの売り上げを見る限り、ない」と強気に言った。