国際サッカー連盟(FIFA)の金銭問題の不正がまた発覚した。10年W杯欧州予選プレーオフ・フランス-アイルランド戦第2戦で起きた「神の手」と呼ばれる誤審への法的措置を封じ込めるため、アイルランド協会(FAI)に「口止め料」を支払っていた。FAIのデラニー会長が500万ユーロ(約7億円)を受け取ったと暴露した。

 「神の手」は09年11月18日のフランス-アイルランド戦・第2戦でのこと。2戦合計1-1で延長戦に突入。延長前半13分にゴール左でボールを受けたフランスFWアンリが左手でボールを止め、DFギャラスのゴールをアシスト。ハンドの反則が取られず、フランスのW杯出場が決まった。

 FIFAは「問題を終わらせるため、FAIにスタジアム建設用に貸し付けた」と声明を発表し、あくまで貸付金だと主張した。アイルランドが14年W杯予選を勝ち抜けば返済される予定だったというが、同国が再びW杯出場を逃し、返済は帳消しされたという。

 FIFAは18、22年W杯の米国での放送権を持つテレビ局FOXに26年大会の権利も与えた。カタールでの22年大会を米国でスポーツイベントが多く行われる11、12月の開催に変更した代償とみられている。FIFAには不都合が発生すれば裏で取引し、利益供与で解決するという悪習がはびこっている可能性が高い。