国際サッカー連盟(FIFA)を揺るがす汚職事件の渦中で辞意を表明したブラッター会長に、早期退陣を求める声が高まってきた。

 早くても12月になる次期会長選出まで現職にとどまる意向だが、98年の会長選でブラッター氏に敗れたFIFAのヨハンソン元副会長(スウェーデン)は5日、ベルリンで「彼はすぐに去るべきだ。われわれはクリーンであることを求められている」と述べた。汚職を監視する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナルも「ブラッター会長は新しいFIFAを監督することはできない。今退陣すべきだ」との声明を出した。

 米司法当局がFIFA幹部ら14人を起訴したことを発端に、金銭に絡む問題が次々と明らかになっている。現状に危機感を募らせるニースバッハ理事(ドイツ)は「全てのことをより早く実行する必要がある」と、素早い組織改革の必要性を強調した。

 ただ、あるFIFA理事はブラッター会長の速やかな退陣が「いいかどうかは分からない」とも漏らした。正式な後任が総会で決まる前に現会長が退いた場合に暫定会長となるハヤトウ副会長(カメルーン)も、たびたび金銭疑惑が報じられていることが理由だ。