スイス1部バーゼルに所属するFW柿谷曜一朗(25)が、スイス紙のバスラー・ツァイトゥングのインタビューで、シーズン後に退任したパウロ・ソウザ前監督(44)との関係がうまくいかなかったことを明かした。8日付の同紙電子版が報じた。
-何がスイスの生活で気になりましたか?
柿谷 スイスの文化は全く違います。ここでは友情や家族が大切だと感じている。日本ではそこまでは。その他にもアジアでは当たり前だけど、ここでは違うみたいな小さな違いがあります。
-例えば?
柿谷 日本では箸で食事をするのが普通だけど、ここではナイフやフォークを使っています。
-スイス生活には満足していますか?
柿谷 居心地よく過ごせている。バーゼルの町を歩いていると、みんなすごくフレンドリーに接してくれる。レストランやカフェにいくのが苦じゃないです。
-町を歩いているとすぐに見つかりますか?
柿谷 よく声をかけられます。英語で「もう1度質問してもらえませんか」というやりとりをしますね。
-ドイツ語の方はどうですか?
柿谷 まだまだ。この1年間は英語を理解するのに努力した。そっちはだいぶ良くなったけど、(ドイツ語の習熟は)英語まではまだ…。
-日本食レストランは行きますか?
柿谷 時々。でも食材があるときは家で作るのが好き。
-最初のシーズンはどうでしたか?
柿谷 僕はファンに認められたいと思っていたけど、この12カ月間は残念ながらできなかった。期待に応えることはできず、がっかりさせてしまった。
-ソウザ監督が退任する前に、チームを去ることを考えたりはしましたか?
柿谷 少しは、はい。移籍について考えたりはしました。プレーするのが目標なのに、それがあまりできませんでした。ソウザ監督との関係はとても難しかった。それが僕のプレーにも反映されていた。
-ソウザ監督の移籍をどこで知りましたか?
柿谷 日本で休暇中でした。代理人から知らされた。その話を聞いた時、僕にとって新しいチャンスだと思いました。コーチングスタッフが変わったことで、自分の中で残留することがはっきりした。この1年でバーゼルの町と、FCバーゼルというクラブがすごく好きになってましたから。
-日本におけるステータスも変わってきたのでしょうか?
柿谷 日本における自分のステータスは僕にとって重要じゃない。僕がここに来た時、すごいスーパースターみたいに書かれてましたけど、そのようには自分のことを思ってない。僕にとって一番大事なのは、自分が楽しめて、目標にたどり着くこと。サッカーで証明したい。バーゼルで自分のベストを尽くします。
-ウルス・フィッシャー新監督については?
柿谷 戦術についてたくさん話すけど、すごく楽しい。選手をとても尊敬する監督だという感じ。僕にとってすごくいい環境。
-合宿では右サイドで起用されることが多かったですね?
柿谷 僕は自分をFWの一員としてみてますし、そこには両サイドもある。1トップでも2トップでも問題ない。でも前線で攻撃に絡むことができたらうれしいね。
-新シーズンに向けては?
柿谷 ファンに、なんて素晴らしい選手なんだと思ってもらえたら。昨シーズンの優勝セレモニーで、FWシュトレラーとMFフレイがファンからものすごい声援を受けていた。僕もあの感じをもっと味わいたい。
-日本代表チームへの復帰については?
柿谷 それは今は考えていない。所属クラブでプレーしないことに状況は変わりませんから。僕がここでうまくプレーできれば、代表でも受け入れられると思います。
柿谷は昨季、全36試合中、14試合に出場して3得点。先発は5試合のみだった。