国際サッカー連盟(FIFA)の次期会長選挙の日程を決める臨時理事会が20日、スイスのチューリヒで開かれる。

 当時の副会長が汚職疑惑で逮捕されたのに端を発し、ブラッター会長が辞任を表明した一連の激震から1カ月余り。辞意撤回の可能性が消えない同会長は初めて記者会見に臨む予定で、各大陸連盟では選挙をにらんだ動きが徐々に出始めている。

 FIFA総会を控えた5月27日、放送権などで便宜を図る見返りに賄賂を受け取ったとして、米司法省が14人を起訴。スイスの捜査当局はウェブ、フィゲレドの副会長2人を含む7人を逮捕し、大混乱が始まった。

 同29日の会長選で対立候補のアリ王子(ヨルダン)に苦しみながらも5選を果たしたブラッター氏は、4日後に緊急記者会見で辞任を表明した。ワールドカップ(W杯)招致に絡み、側近のバルク事務局長の賄賂送金疑惑を米紙が報じるなどFIFAの腐敗体質に国際的な批判が強まっていた。

 臨時理事会では、会長選を行う臨時総会の日程を12月から来年2月の期間で決める予定。ドイツの大衆紙ビルトによると、ブラッター会長は出身地スイスの地元紙に、緊急会見での発言について「あれは私の考えでは辞任表明ではなかった」と語った。過去にも前言を翻し、権力の座にとどまってきた経緯があるだけに、同会長の動向にも注目が集まっている。

 次期会長について、欧州サッカー連盟(UEFA)のインファンティノ事務局長は選挙の日程が決まってから議論が本格化するとの見方を示している。アジア・サッカー連盟(AFC)は支持する候補を一本化する方針を理事会で確認した。