日本代表MF香川真司(26)のドルトムント(ドイツ)は、アウェーでオッド(ノルウェー)に逆転勝利した。フル出場した香川は、1-3の後半2分に今季公式戦初得点。3-3の後半39分には決勝点をアシストした。

 発煙筒の煙に包まれたピッチ上で、昨季までの不振を振り払うかのように、香川が右足を振り抜いた。1-3の後半2分。DFシュメルツァーの左クロスからDFギンターが頭で折り返し、密集地帯の中で右足ボレー。ボールは左ポストに当たりゴールに吸い込まれた。難しい体勢からの得点に「枠に飛ばそうと意識した。入ってくれて良かった」と今季初得点を喜んだ。

 主将DFフンメルスが「むごい映画のようだった」と形容した序盤の開始15秒で失点すると、前半22分までに3失点。香川も「0-3になった時はさすがに…。ちょっと大丈夫かなと感じた。苦しかった」と格下相手に敗戦がよぎった。それでもFWオバメヤンの得点で前半のうちに1点を返すと、ハーフタイムには「行くぞ!」とチームメートとともに気勢を上げた。

 1点差に詰め寄るゴールだけでは終わらなかった。2-3の後半31分、オバメヤンの同点弾の起点となると、同39分には「仕掛けたら何かが起こると思った」と、相手DFをかわして左クロスを送り、FWムヒタリャンの勝ち越し弾を演出した。「良い時間帯にとれて良かった」。これで15日のリーグ開幕戦に続く公式戦で2試合連続アシスト。3点に絡んで、欧州カップ戦でクラブ史上初となる0-3からの逆転勝利に導いた。

 昨季、7位と低迷したチームは、リーグ開幕戦で昨季3位の強豪ボルシアMG戦に続き、公式戦2試合連続4得点。香川とともに、チームにも復調の兆しが見えてきた。(鈴木智貴通信員)