レスターFW岡崎慎司(29)が、プレミア仕様のプレーで不敗を守った。開幕から3試合連続で先発し、昨季5位の強豪トットナムと引き分け。味方へのサポートを徹底する「フォロー」を心がけ、攻守をかみ合わせる歯車となった。ドイツで築いたセンターFW像から幅を広げ、ハリルジャパンでのさらなる可能性を見いだそうとしている。

 試合開始時間の午後3時の時点で気温29度。日本の夏に比べれば過ごしやすい気候だが、イングランドでは“真夏日”の扱い。前後半の途中に給水タイムが設けられた。岡崎は「水は飲まないようにしている。きついけど、試合に集中したいから」と、両チームの選手が水分補給する間も、戦況を頭の中で分析し続けた。「強い相手にはこういう戦い方になってくる」。昨季トップ5のトットナムを相手に、後方支援のプレーで支えた。

 味方がパスコースに困ったら引いて足元で受けてファウルを獲得。後半38分には警告まで誘発した。守備では、中盤にスペースが出来たら下がって埋め、後半6分にはボール奪取。やみくもにゴールへ突っ込むだけではない。プレミアで生きていくすべを、3試合で見いだしているようだった。

 岡崎 フォロー(後方支援)ですね。プレミアは能力高い選手でいっぱい。フォローを一番に考えている。味方が困っていたらサポート。1発目に裏に行くよりも、2人目の動き、3人目の動き。リアクションは相手より速く。ボールを取られたら、自分が一番先にアタックに行くことを心がけている。

 3戦2勝1分け。3連勝を逃すも試合終了時点で暫定首位に立つ快進撃をフォロー。日本から渡英した杉本トレーナーから体の動かし方のアドバイスを受け、自然と走行距離は両チームトップの11・7キロまで伸びた。1トップとして2年連続2桁得点をマークしたブンデスリーガでの姿と違うことは自覚している。

 岡崎 1トップだろうがどこだろうが、戦い方を常に変えられる。相手によっても、味方の関係性によっても変えられる。ここでセカンドトップ(1・5列目)としてもう1回可能性を出せれば代表でもできる。(浦和FW)武藤がトップ下できるってことは、自分もあのタイプができる。

 国内組で東アジア杯を戦ったハリルジャパンのことは英国からも気に掛けて見ていた。世界最高峰のプレミアでもまれ、日本が変わるため、岡崎も変わる。【栗田成芳】