広島が日本勢初の決勝進出をつかむ。今日16日、クラブW杯準決勝でリバープレートとヤンマーで激突。相手は優勝候補の南米王者で、約1万5000人の熱狂的サポーターが集結するという。それでも森保一監督(47)は「サッカーは何が起きるか分からない」と語り、世界を驚かせる快進撃を約束。15日は両チームとも大阪市内で最終調整を行った。

 広島の強さを、世界に示す舞台が整った。この日、会見が開かれた試合会場の出入り口には、約100人のリバープレートサポーターが集まった。アルゼンチンからやってきた熱狂的ファンは応援歌を大合唱。本場の雰囲気を醸し出した。準決勝には、約1万5000人の相手サポーターが詰めかける予定。“敵地”のようになることも考えられるが、森保監督は平然と受け流した。

 「厳しさを含めて、我々が世界大会を戦っているという雰囲気を楽しみたい。勝てば世界的快挙。世界のほとんどの方が、リバープレートが勝つと思っている。でも、サッカーは何が起きるか分からない。チャンスはあると思っています」

 会見に同席したMF青山主将も真剣にこう言った。

 「1万人が来ようが、何人来ようが(熱狂的な)浦和のサポーターにはかなわない。何の問題もない」

 相手はバルセロナでも活躍した元アルゼンチン代表FWサビオラ擁する名門だ。今年8月に来日した際には、G大阪が0-3で大敗。日本勢は07年浦和、08年G大阪の3位が最高で、金星を挙げれば日本勢初の決勝進出。力の差はあるが、森保監督は「我々はリーグ戦で最高得点、最少失点でここまで来た。激しい戦いを挑んでいく」。今大会は2戦連続完封勝利で4強までたどり着いたものの、青山は「ここからが勝負」と気を引き締めた。

 ラグビーW杯では日本が強豪南アフリカから金星を挙げた2015年。年の瀬に、今度は広島が世界を驚かせる。【益子浩一】