今冬の移籍市場で、中国リーグの“爆買い”が猛威を振るった。中国1部クラブが選手獲得に投じた移籍金の総額は日本円換算で353億円。327億円のプレミアリーグを上回って世界1位となった。中国は2部リーグですら、ブンデスリーガやスペインリーグを抑え堂々の世界4位だ。

 中国1部クラブの中では、15年リーグ9位からの巻き返しを図る江蘇が爆買いの主役となった。2月3日に広州恒大がアジア移籍市場最高額となる移籍金55億5000万円でAマドリードからFWマルティネスを獲得。すると江蘇は2日後に最高額を更新する66億1000万円で、ウクライナ1部で得点王争いトップを独走するMFテイシェイラを加入させた。

 江蘇は37億円でチェルシーのブラジル代表MFラミレスも獲得。こちらはチェルシーに拒否されたもののMFオスカルにも100億円という巨額オファーを出していたことも判明した。また今季から中国1部で戦う河北もFWジェルビーニョの獲得など、移籍市場で活発に動いた。

 このような中国リーグの選手獲得について、アーセナルのベンゲル監督は「この状況は彼らの経済力を反映している。ただ数年前には日本が同様のことを行い、その後、失速した。中国がどの程度の意欲を持って“爆買い”しているのか。本気度が高いのであればプレミアリーグにとっても脅威となり得る」と話している。