準決勝1試合が行われ、日本代表MF香川真司(27)が所属するドルトムントが3-0で、同MF原口元気(24)のヘルタに完勝した。フル出場した香川は1アシストを含め、チームの全3点に絡む活躍。ドルトムントの3年連続決勝進出に貢献した。5月21日にベルリンで開催される決勝では4年ぶりの優勝をかけ、Bミュンヘンと戦う。

 香川がドルトムントの攻撃陣を引っ張った。1点目は前半21分。香川の右クロスから、こぼれ球をカストロがゴールした。だが1-0のまま後半に突入し、ヘルタも何度か惜しい場面を作ると、ドルトムント側に嫌な雰囲気が漂いだした。

 その流れを変えたのも香川だ。「相手もチャンスを作り出してきていて怖さもあった。2点目がすごく大事だと思っていた」。後半30分に右サイドのスペースへ走り込んでボールを受けると、ドリブルでペナルティーエリアに進入。マイナス方向への右クロスでロイスのゴールをアシストした。8分後のチーム3点目も、香川の縦パスから生まれたものだ。

 香川はこれで4戦連続先発。うち3試合はフル出場だ。今季からトゥヘル監督に代わり、出場機会を得られない時期もあったが結果で定位置を確保した。「フラストレーションがたまった時間もありました。でも自分が一番ブレてはいけないし、今は『自分がやるんだ』という強い気持ちでやれている」。決勝では宿敵Bミュンヘンと戦う。「ここからの4週間がすごく大事。決勝だけを見すえて調整するのではなく、1週間ずつ本当に素晴らしい練習をして、それを4週間繰り返したい」と準備の大切さを強調した。【鈴木智貴通信員】