プレミアリーグで奇跡の初優勝を果たしたレスターFW岡崎慎司(30)を、元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の中山雅史(48=アスルクラロ沼津)が祝福した。岡崎の献身性とともに今季挑戦したプレミアでの変化を指摘。「似たもの同士」のスタイルを進化させる後輩について語った。

 ゴン中山が岡崎の快挙を祝福した。泥臭くゴールを狙い、チームのために献身的に走る「ゴンスタイル」を、さらに進化させた“後継者”に敬意を表した。

 中山 日本人として誇らしい。チームの重要なピースとして戦い勝ち取った栄冠。チームを引っ張っていく部分と、引っ張られていく部分があったと思う。ゴール前でスペースを空けるために「犠牲の心」を持って走る。ただそこに「ゴールを決めるんだ」という気持ちも持ち合わせていた。その気持ちがなければ、相手は脅威に感じない。

 進化を感じた場面は、3月の日本代表W杯2次予選アフガニスタン戦での得点だった。岡崎は後ろ向きで球を受けて高速ターンでかわして決めた。試合後、「ゴール前でのターンの回数が増えてますね?」と聞くと「今取り組んでいることなんです」と返ってきた。試行錯誤の一端を感じた。

 中山 プレッシャーの強さはおそらくプレミアと比べ弱かったかもしれない。でも意識して取り組み、イメージしていることが出た。決めなければ試合に出られないという思いの中、いろんなことを考えた、かなりいいシーズンだったと思う。

 岡崎はJリーグ清水時代、プレーに悩んでいた時に中山のDVDを渡され、繰り返し見た。泥臭く、献身的なプレーを見習った。その中山がW杯フランス大会で日本人初得点を決めたのは30歳。4月に30歳になった岡崎は今も世界最高峰で進化を続けている。

 中山 周りから見たら似たもの同士。うれしいというか、悔しいね(笑い)。自分もこういう場に身を投じられていたらという思いがなきにしもあらずだから。自分も挑戦する場があるから勉強になる。プレーを見ていて「ここを狙っているな」って共感する。自分自身も思うだけでなく、そんなプレーを体現できればいいなと常に考えている。

 JFLアスルクラロ沼津で現役選手を続けているレジェンドは、同じ日本代表の背番号9を背負う“後継者”に大いに刺激も受けていた。【取材・構成=栗田成芳】