英国民投票での欧州連合(EU)離脱派勝利はスポーツ界にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 特にサッカーでEU内移籍の自由を認めた「ボスマン判決」以降、世界各国のスター選手が集まるイングランド・プレミアリーグは変革の波が押し寄せる見通しで、将来に不安と期待が入り交じる反応が広がった。

 欧州でも屈指の高額な放送権収入と分配金を軸に活況を呈すプレミアリーグは「国民投票の結果に関係なく、国内外で巨大な成功を収めたリーグを今後も継続していく」との声明を出した。J1名古屋でもプレーした元イングランド代表FWのリネカー氏は「何ということだ」と驚きの結果に困惑を隠せなかった。

 イングランド協会(FA)のダイク会長は「英国の若い選手に活躍の機会が増えるのであれば歓迎したい」とプラスの効果を期待。「外国選手の総数が減るとすれば残念だが、海外のトップ選手は残留するだろう」との見方を示した。

 影響が及ぶのは選手だけではないとの声も。フランスで開催中の欧州選手権に出場しているウェールズのコールマン監督は、海外に挑戦する指導者が減ることを懸念。「この結果が出るずっと前から、他の国に出ようとする指導者の少なさに失望していた。将来的にはもっと難しくなるのではないかと思う」と指摘した。