開催国フランスが、W杯王者ドイツを2-0で下し、優勝した2000年以来の決勝進出を果たした。FWアントワヌ・グリーズマン(25=Aマドリード)が2得点。3試合連発で得点ランクトップを独走する6点目とした。10日(日本時間11日)の決勝では同ランク2位タイ(3点)のFWロナルド(Rマドリード)擁するポルトガルと対戦する。

 決勝進出を果たしたフランス代表の選手たちは、両手を大きく広げて拍手をする今大会の風物詩「バイキング・クラッピング・チャント」でサポーターと喜びを分かち合った。デシャン監督は「我々は歴史をつくった。選手たちを思うとうれしいよ。ファンの情熱とサポートを目にしたら…。このチームは愛されるためのすべてを持っている」と言葉を詰まらせた。

 好調のグリーズマンがW杯王者に引導を渡した。前半ロスタイムにPKを得ると、GKノイアーの逆を突き、3試合連続得点で先制。後半17分にはこぼれ球に反応し、ノイアーの股を抜く左足シュートで加点した。84年に開催国として優勝した時にチームをけん引した母国の先輩プラティニの1大会最多9得点に次ぐ、6得点を記録したグリーズマンは「ものすごく幸せだよ。これでようやく7月10日(決勝)を夢見ることができる」と喜んだ。

 ポルトガルとの決勝戦では、史上初となる開催国で2度目の優勝がかかる。デシャン監督は「大きな1歩となったが、最も大事な1歩は日曜日(決勝)にやってくる。やれることはすべてやる」。国民の大歓声を受け、3度目の欧州王座に挑む。【中野吉之伴通信員】