日本代表に復帰したマインツFW武藤嘉紀(24)が、ドルトムントとの今季初戦で復活のゴールを決めた。右膝を痛めた今年2月6日ハノーバー戦以来の公式戦で後半36分から出場すると、終了間際に得意のヘディングでゴールした。試合は1-2で敗れたが、W杯アジア最終予選を控える日本代表にとっても朗報となった。ドルトムント香川はフル出場し2点に絡んだ。

 武藤が約6カ月半ぶりの公式戦で存在感を示した。2点を追う後半ロスタイム。FWデブラシスの右クロスに頭を合わせ、今季初得点をマークした。「試合に出るからには得点を決めることと、結果を残すことを考えていました」と力強く話した。

 後半36分にピッチに立つとドルトムントの強力なプレスに、ほとんどの時間で消えていた。わずか10分ほどの出場でも体に乳酸がたまり「1歩も動けないくらいだった」。それでも生粋のストライカーは「その時」を待っていた。デブラシスがクロスを上げる直前、相手DFパパスタソプロスの背後を取って気配を消し、ボールが来るのに合わせてゴール前へ進入してヘディングを決めた。武藤は「自分の苦手としているDFから、ああやって動き直して(点を)取れたことは良かったと思います」と手応えを口にした。その一方で「2点目を取られてしまったのが大きかった。なんとか守って、自分が決めて1-1だったら、今日はベストの試合だった」と悔しがった。

 9月は日本代表のW杯アジア最終予選に加え、クラブでは欧州リーグも開幕する。「上の舞台にいければ世界も注目する。そこで結果を出すことも大事」と、さらなる飛躍へ意気込んだ。29日に日本代表に合流する予定だ。【鈴木智貴通信員】