イングランド・サッカー協会(FA)は27日、7月に就任したばかりだった代表チームのアラダイス監督との契約を解除したと発表した。

 イングランドのサッカー界最高の名誉となる地位に上り詰めながら、失言でその座から滑り落ちた。アラダイス監督は7月22日の就任から約2カ月、たった1試合を指揮しただけで代表監督の職を失った。

 強豪を率いた経験はなく、リーグの中位から下位のクラブを長く率いた。日本の西沢明訓や中田英寿らが所属したことがあるボルトンを2004~05年シーズンに6位に導き、欧州連盟杯(現欧州リーグ)出場に導いたのが最大の勲章。その後もプレミアリーグでニューカッスル、ウェストハム、サンダーランドなどを指揮したが、優勝を争うような実績は残せなかった。

 ロングボールを多用し、縦への速攻を狙う古典的なイングランド・スタイルが代名詞のアラダイス氏に、FAは今夏の欧州選手権で8強入りを逃した「サッカーの母国」の威信回復を託した。だが、重責を担うにはあまりに軽率過ぎる発言の数々で、FAも苦渋の決断を下すしかなかった。