日本代表DF酒井高徳(25)が16日、所属するハンブルガーSVの主将に指名された。4大リーグ(ブンデス、イングランド、スペイン、セリエA)で日本人が主将を務めるのは初めて。シーズン途中の主将交代は異例だが、最下位からの浮上をもくろむギズドル監督は「チームに新たな文化を吹き込みたかった」と説明。酒井高は「大変光栄なこと。信頼に応えるために全力を尽くします」と意気込んだ。

 母親がドイツ人の酒井高はドイツに移籍して6季目。シュツットガルトからハンブルガーSVに移籍して2季目の今季はリーグ戦全10試合に出場している。序盤戦はサイドバックとしてプレーし、直近のリーグ戦2試合ではボランチとして新境地を開拓。チームが不振にあえぐ中、中心選手として奮闘している。前主将のスイス代表DFジュルーは「主将を高徳に引き継ぐことに問題はない。うまくやってくれる」と太鼓判を押した。

 大役を引き受けた酒井高は「チームを大きく変えようと考えてないし、その必要もないと思っている。チームにポジティブな雰囲気をもたらせたい」と話した。チームの先頭に立ち、1部残留へと導く決意だ。

 ◆欧州リーグの公式戦で主将を務めた主な日本人 GK川島永嗣(ベルギー1部リールセ)とMF瀬戸貴幸(ルーマニア1部アストラ)が務めた。主将の欠場などで一時的に主将マークを巻いたのはMF中田英寿(パルマ)、MF小野伸二(オランダ1部フェイエノールト)、FW本田圭佑(オランダ2部VVV)、DF長友佑都(インテルミラノ)、MF長谷部誠(ニュルンベルク)、FW小野裕二(ベルギー1部シントトロイデン)ら。86年の親善試合ではドイツ・ブレーメンの奥寺康彦が主将マークを巻いた。