ACミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長(80)が、伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトの取材に応じ、来月13日に予定されるクラブの株主総会で中国の投資グループへの売却が決まった場合も、クラブの方向性について意見を言うことが可能ならば、名誉会長の職を引き受けたいと意欲を見せた。

 「私は、移籍市場や試合でのシステムなどに意見を言うことができるなら、中国人オーナーになった後、名誉会長の役職を引き受ける」

 またベルルスコーニ会長は「ガッリアーニ副会長も残るという条件も入れたい」とも明言した。自身が保有する99・93%の株式を7億4000万ユーロ(約866億円)で売却する方向だが、自身の腹心をも取り込み“院政”をするつもりとも取られる発言を繰り返した。

 ベルルスコーニ会長は、監督に対し、試合での布陣や選手起用、移籍市場での選手の獲得について、もの申す会長で知られる。今年も、4月に当時監督だったミハイロビッチ氏の采配が気に入らずに解任後、自らの肝いりで下部組織からブロッキ氏を昇格させたが、ブロッキ氏からシーズン後に契約解除を求められた。監督人事は混迷を深めた末、現在のモンテッラ監督が就任した経緯がある。

 ベルルスコーニ会長の現場介入が、特にここ近年はクラブを難しくしているとの見方も少なくない。(波平千種通信員)