レスター(イングランド)の日本代表FW岡崎慎司(30)が、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、日本人6人目の得点を決めた。初先発でのゴールは中村俊輔(当時セルティック)以来、日本人2人目。前半5分、左クロスを左足で合わせた。2-1の勝利に導き、決勝トーナメント(T)進出を決めた。ドルトムント(ドイツ)の同MF香川真司(27)も2得点。CLで同日(同時刻開催)で日本人が得点したのは史上初。15日に行われた日本代表アジア最終予選サウジアラビア戦で先発を外れた「ダブルシンジ」が反撃ののろしを上げた。

 イングランドのシンジはゴールを決めると、両手を広げながらコーナーフラッグへ走った。「夢の舞台」で悲願の初ゴール。「1つの目標が達成できた」。喜びを爆発させた。左クロスにニアサイドへ走り込み、ハーフバウンドの難しいボールを左足で巧みに合わせた。「角度が難しかった。チームとしても個人としてもよかった」。開始5分、納得の先制ゴールだった。

 欧州CLの舞台は屈辱のベンチ外スタートだった。今季、FWスリマニらが加入したが、リーグ優勝メンバーの主力としてのプライドもある。「欧州に来て、CLには出ないわけにはいかない」。海外移籍7季目。1次リーグ5試合目でつかんだ初の先発で結果を出し「ゴールを目指すようなプレーを増やしていこうと思う」と目に力が戻ってきた。

 9月から10月にかけて、クラブでの出場機会が減り、日本代表でもベンチスタートが増えた。ドイツで活躍するFW大迫への待望論まで出た。その大迫にサウジアラビアとの大一番で先発を奪われた。世代交代の波は押し寄せている。だが、まだ30歳。「自分はこうだって主張するプレーヤーになろうかな。強い信念を持って」。世界最高の舞台での得点をきっかけに、不動のエースへ返り咲く。