ブラジル1部シャペコエンセの選手ら81人を乗せ、ボリビアからコロンビアのメデジンに向かっていた飛行機が28日夜(日本時間29日)コロンビアの山中で墜落した事故で、ブラジルの大手メディア・グローボは29日夜(日本時間30日)死亡が確認された搭乗者のリストを更新した。

 事故機には、13年に22得点でJ2得点王になった元千葉、C大阪のFWケンペス(34)、05年に柏、07年から10年までAマドリードに所属したクレーベル(35)、10年に京都に所属したDFチエゴ(30)、川崎Fに昨年在籍したMFアルトゥール・マイア(24)が乗っていたが、グローボは4選手が死亡したと発表した。また09年に神戸を率いたカイオ・ジュニオール監督(51)も死亡した。

 またグローボは、奇跡的に生存した搭乗者のうち、頭部に重傷を負ったDFネトの、頭蓋内にできた血腫を除去する手術が成功したと報じた。GKフォルマンは手術を受け、右足のひざから下を切断したという。DFアラン・ラスケルは左足を骨折したほか、脊椎骨折の重傷を負ったが、手術を行い、状態は安定しているという。

 シャペコエンセは12月1日にコロンビアのメデジンで行われる南米のカップ戦コパ・スダメリカーナ(南米杯)決勝のナシオナル・メデジン(コロンビア)戦に出場する予定だった。カイオ・ジュニオール監督の息子マテウス・サロリさんは、パスポートを忘れてしまい、飛行機に乗ることができず、チームに帯同しなかったことで今回の事故を免れた。マテウスさんは、ブラジルのテレビ局RPCの取材に応じ、チームがサンパウロのグアリーリョス空港を出発する前に、父らスタッフとミーティングを行ったことを明かした。

 「空港で、別れる最後の瞬間まで、チームのいろいろなことについて話し合った。(事故が起こってしまった後、結果論として)今、言うのは簡単だと思われるかもしれないが、父と話していて、いつもとは違う何かを感じていました」

 マテウスさんは「父は亡くなったとしても(シャペコエンセの監督を務め)幸せだったと思う」と、涙ながらに語った。