コロンビアの山中で28日夜(日本時間29日)に発生した飛行機の墜落事故に巻き込まれた、ブラジル1部シャペコエンセのホーム・アレーナ・コンダ・シャペコには、ファンと選手の家族ら1万人以上が集まり、事故を悲しむとともに事故に遭った選手へささげる歌を合唱した。

 スタンドから「シャペコエンセ、我々はチャンピオンだ!!」という歌声が、スタジアムに悲しく響き渡った。次の瞬間に、スタジアム内にはライトがともされ、集ったファン、選手の家族や関係者は、事故に巻き込まれたチームに祈りをささげた。ファンは、客席とピッチの間に作られた柵に選手への思いを書いた紙を張り付けて泣き崩れた。スタジアムの入り口で、夜を明かすファンもいた。

 事故に巻き込まれた選手の家族も、コロンビアに向かった。左足と脊椎骨折の重傷を負いながら一命を取り留めた、DFアラン・ラスケルの父は、ブラジルの大手メディア・グローボの取材に「今すぐにでも息子に会いたい」と悲痛な思いを吐露。亡くなったDFギジェルメ・ヒメネス(享年21)の家族は、スタジアムでファンとともに祈りをささげた後、泣きながらスタジアムを後にした。

 事故が発生したメデジンでは、救助隊が搭乗者の捜索を終了したと発表し、現地では遺体をブラジルに引き渡す調整が進められている。ブラジル側も、遺体を移送するための飛行機をブラジル北部マナウスに待機させており、引き渡しが正式決定するタイミングでメデジンに入る予定だという。