元イタリア首相のACミラン・シルビオ・ベルルスコーニ会長(80)と、昨季まで同クラブに在籍したニースのFWマリオ・バロテリ(26)が、憲法改正の是非を問うイタリアの国民投票がきっかけでバトルした。6日付の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。

 同紙によると、ベルルスコーニ会長は4日にイタリアで行われた、上院の権限縮小を柱とする憲法改正の是非を問う国民投票を前に演説した。その中で「レンツィ首相は、バロテリに似ている。才気にあふれ、期待されてはいたが、現実化はしなかった」と声を大にして訴えた。

 バロテリは12-13年途中にACミランに加入し、翌13-14年との2季で26ゴールと活躍したが、14-15年にリバプールに移籍後は鳴かず飛ばず。翌15-16年にレンタル移籍でACミランに復帰も、20試合1ゴールと不発。リバプールに戻ったが戦力外扱いとなり、移籍金なしのフリーでニースに放出された。そのことを演説で触れたようだ。

 バロテリは、それに対してツイッターで「ベルルスコーニ会長、なぜ僕の名前を政治に出すのですか。もしかして僕のことが恋しいのですか? ミランは僕のハートに常にある」とつづった。今季、リーグ戦で6試合に出場し6ゴールと復調しており、ベルルスコーニ会長の演説が気にくわなかったようだ。

 ベルルスコーニ会長とバロテリの“ケンカ”はともかく、国民投票では反対派が圧勝し、レンツィ首相は辞意を表明した。果たして、バロテリは“反対派”のベルルスコーニ会長をギャフンと言わせる活躍をニースでできるか、今後に注目だ。(波平千種通信員)