ヘントFW久保裕也(23)が衝撃のベルギーリーグデビューを飾った。ホームでのクラブ・ブリュージュ戦に先発し、後半8分に直接FKで先制点を挙げた。ヤングボーイズ(スイス)から移籍後初戦ながら、FKはチームメートから名指しで任されたものだった。首位チームを相手に2-0の勝利を導き、期待と信頼に応えた。日本代表定着につながる成長を目指す新天地で、絶好のスタートを切った。

 久保の鮮やかなヘント初得点は、ハーフタイムのロッカー室の会話から生まれた。普段FKを蹴るMFミリセビッチが病気で欠場の上、代役を務めたMFベルストネートが前半で交代。バンハーゼブルック監督はセットプレーを誰に任せるか悩んだ末、選手に尋ねてみた。すると「ユヤ(久保)。ユヤにやらせよう」と声が上がった。

 同監督は「初めての試合だし、少し早すぎるかも」と思い、本人に確認すると「OK。僕がやるよ」と久保は即答した。「彼が自分から言ったんじゃない。日本人らしく遠慮していたのだろう」(同監督)。

 チームメートの信頼はすぐに証明された。後半8分、ゴール斜め左約20メートルからのFK。右足からの一撃は鋭く曲がってゴール左上に突き刺さる。ベンチ前で久保を中心に歓喜の輪ができ、指揮官も「素晴らしいことをやってくれた」と大喜び。久保は後半28分で退き「チームの勝利と初ゴール決められて幸せです!」「すごく優しいチームメート」と笑顔の絵文字入りツイッターで伝えた。