DF吉田麻也(27)のサウサンプトンはマンチェスター・ユナイテッドに2-3で敗れ、準優勝に終わった。吉田はフル出場でタレントぞろいの相手攻撃陣と渡り合ったが、初戴冠にあと1歩及ばなかった。「聖地」と呼ばれるウェンブリー競技場で、日本選手がクラブの試合でプレーするのはマンU時代の香川真司、レスターの岡崎慎司(いずれもコミュニティーシールド)に続き3人目となった。

 強豪相手の惜敗に吉田は「本当に、もう少しでチャンピオンに手が届くところまで来ていた」と悔しがった。前半11分には不可解なオフサイド判定による“幻の先制点”もあった。その後、2点を失っても追いついた。吉田も「怪物」イブラヒモビッチを相手に体を張り、前半25分には決定的なラストパスが通る前にクリア。ピンチを救った。

 ただ、わずかなスキが命取りになった。2失点目は相手シュートが吉田の股間を抜いたもので「痛かったな、と」。後半42分にはイブラヒモビッチをフリーにしてしまい、優勝を決めるヘッド弾を浴びた。

 試合後は地元メディアに英語で「この経験を生かして向上すべきだ」と話し、日本語で「来年ここに帰ってこられるよう頑張る」とも。限られた試合しかできないウェンブリー競技場は、12年ロンドン五輪準決勝以来2度目。「英国を理解した分、全然違った。楽しかった」。この時ばかりは納得顔だった。

 ◆ウェンブリー競技場 英国ロンドン・ウェンブリーにあり、収容9万人。サッカーの聖地と呼ばれ、改修により07年に新スタジアムとなる。スタジアム上部のアーチがシンボル。主にイングランド代表戦とFA杯、イングランド・リーグ杯、コミュニティーシールドで使用される。11、13年に欧州チャンピオンズリーグ決勝、12年にはロンドン五輪でも使用された。