シェークスピア監督がリバプール戦の先発に送り出した11人はMFヌディディを除いて昨シーズンを戦った顔ぶれ。チームの気持ちは自然とまとまり、それが得点という形となった。スルーパスから抜け出したFWバーディーの1点目、相手ゴール前に押し込んで、MFドリンクウオーターのミドルシュート。そして後半早々に再び相手ボールのカットから素早く縦へバーディーを走らせて奪った追加点。昨シーズンさながらのレスターの姿がそこにはあった。

 岡崎 「もう前からいくしかないという感じ。今まで、僕も感じていたけど前からもっとプレスしていけば、絶対にはめられると言っていた部分を、今日はみんながいってくれたので、自分もやはりやりやすくて。2個追えば、確実にそれが還元できるという。今までは2個追っても、あんまり意味がなく終わると、モチベーションも下がるじゃないですか。それが今日は2個追うとそれがロングボールを誘って、それで切れるというところで。かなりチームとして良い戦いができたんじゃないかと思います」

 リバプール戦の戦い方で自分たちのサッカーを思い出した。昨季「格下」と目されたレスターは、「ひたむきさ」を売りにプレミアリーグの強豪に立ち向かった。ハードワーク、そして勝利のために一丸となれる団結力が数々の勝利をもたらした。

 岡崎 「とにかく整理したのは、相手チームじゃなくて、自分たちが前から行こうっていう。たぶん簡単なことだったと思うんですよ、言ったことは。でも、みんなもたぶん行きたかったと思うんですよね。心の中では。だからそれが解放されてというか。その辺はあったと思う。色々と試行錯誤した分、またチームが整理されて、自分がそこにチャレンジできるっていうのは、やっとスタートできるっていう部分が、自分にはあると思います」

 順位は17位から15位へと浮上した。まだ降格圏はすぐ下にある状況だが、リバプール戦の一戦はただの勝ち点3には終わらない。残るシーズンへの視界は、一気に開かれたようだ。

 岡崎 「このまま、残り12試合、このまま行こうという道が見えた勝ち方。そうなった時のレスター強いと思う」

 世界中を驚かせた「奇跡のチーム」レスターは、大事な“初心”を取り戻した。

【英国通信員】