ドルトムントの日本代表MF香川真司(28)はホームのインゴルシュタット戦に右MFでフル出場し、前半14分の決勝点の起点となって1-0の勝利に導いた。今季は出番に恵まれない時期もあったが、ここにきて公式戦3試合連続のフル出場。ゴールこそないが、好パスなどで攻撃をけん引し、充実の表情を見せた。弾みをつけて23日(日本時間24日未明)のW杯アジア最終予選のUAE戦に向かう。

 香川に輝きが戻ってきた。前半14分、中盤で相手を背負いながら球を受けると反転してかわし、左を駆け上がったDFシュメルツァーにスルーパス。センタリングに合わせたFWオバメヤンのゴールが勝利に直結した。「うまく崩せたし、いいゴールだった」と納得顔で振り返った。

 敵地でのUAE戦に気持ちよく出陣できる。3試合連続フル出場で、内容的にも「手応えは感じてるし、自分の状況もいいと思っている」。得点にはならなかったが、後半13分には左からのクロスに飛び込んだりと、パスとともにゴール前の積極性も出た。

 「ここが本当に大事だと思っている」とUAE戦への思いを語る。昨年9月のホームでの対戦では敗れ、「悔しさより、W杯最終予選の怖さ」を知った。「ホームで負けたダメージは大きかったので(最終予選)後半戦のいいスタートを切れるように。アウェーのタフなゲームを勝ちきることだけ考えて」と、決意をにじませた。

 28歳の誕生日だったことは意識しなかったそうだが「嫌でも(祝福)メール届いたり、期待されるものなので」と照れ笑い。同時に「Jリーグの(中村)俊(輔)さん、カズさんを含め、上の人があれだけ頑張っているので」と年長選手の活躍に刺激を受けているよう。28歳の抱負として「この1年をいい年にするため、もっと成熟して、もっと成長していきたい」と続けた。

 充実の28歳にするため、W杯切符の獲得は必須。まずはUAEへの雪辱から始まる。(鈴木智貴通信員)