ドルトムントMF香川真司(28)がリーグ戦今季初ゴールを挙げた。酒井高徳(26)のハンブルガーSVと対戦し、1-0で迎えた後半36分に追加点を奪った。リーグ戦では昨年4月30日のウォルフスブルク戦以来の得点。ロスタイムにはアシストもマークし、3得点すべてに絡んで3-0の勝利に導いた。8日の首位Bミュンヘン戦、11日欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第1戦モナコ戦に向けて勢いをつけた。

 香川が波に乗っている。後半36分、FWオバメヤンが左サイドからドリブルでゴール前に迫ると、中央右から走り込み、グラウンダーのセンタリングにしっかり右足を合わせた。「いいところに入れたし、素晴らしいボールがきたので、流し込むだけでした」。今季は昨年8月23日に下部リーグ相手のドイツ杯1回戦で2得点、同11月23日欧州CLレギア・ワルシャワ戦で2得点も、リーグ戦は27節目での初得点だった。

 さらにロスタイムには“お返し”とばかりにオバメヤンのゴールをお膳立て。前半13分の先制点も、香川が「うまくもらえたと思った」と自らが倒されて得たFKを、MFカストロが直接決めたものだった。勝利の立役者は「思っているプレーを表現できている」と充実感をにじませた。

 地元紙デアベステンの電子版ではこの試合のベストプレーヤーに選ばれ、評価点1・5(1~6で1が最高点)を与えられた。

 先発の座を取り戻し、試合勘が研ぎ澄まされている。3月11日のヘルタ戦から4試合連続先発で1得点3アシスト。「出続けることで周りとの連係も、自分のコンディションも、流れがポジティブに働いてきてると思う」。この間に日本代表でもタイ戦で1得点。「もちろん代表を挟んで、それがいい方向に進んでいる。代表から得られるものもたくさんあるので」と明かした。

 4月は9試合と過密日程の上、ドイツ杯を含めてBミュンヘンと2度対戦するなど大きな試合が続く。「難しい試合が待っているので、そこでさらに(点を)取れるように。今はすごくいい状態だと思ってます」と頼もしい。今季は故障離脱や出番に恵まれない時期があり、今季終了後の去就も取りざたされた。そんな中、存在感をよみがえらせ「いい時期なので最後は結果を残して、いいシーズンにしたい」と、ラストスパートをかける。(鈴木智貴通信員)