一昨季準優勝のユベントス(イタリア)が敵地でモナコ(フランス)を2-0で破った。39歳GKジャンルイジ・ブフォンは、ユーベでの欧州チャンピオンズリーグ(CL)通算100試合目で、攻撃力のある難敵相手に好セーブを連発。決勝トーナメント5試合すべて完封とした。チームとしても大会史上初の6試合連続無失点。ブフォンにとっては悲願の初制覇にまた1歩近づいた。第2戦は9日に行われる。

 若さと勢いあふれるモナコの攻撃をブフォンが止めた。前半12分、注目の18歳FWエムバペがフリーから放ったヘディングを落ち着いてキャッチ。同16分には走り込んできたエムバペの鋭いシュートに反応して防いだ。今季公式戦146得点を挙げているモナコからペースを奪った。

 「いい試合ができたし、無失点で勝てた」とブフォン。ユーベ伝統の堅守が続いている。この日も30代が並ぶ3バックが相手FWを徹底マークで封じた。チームは1次リーグ第5戦の失点後、621分間無失点(第6戦欠場のブフォンは531分間)だ。アレグリ監督は守護神に「間違いなく世界最高の選手。厳しい戦いの時こそ頼りになる」と誇らしげ。敵将ジャルディン監督は「彼が決定的な仕事をした」と舌を巻いた。

 2シーズンぶりの決勝進出に優位を得た。同時にユーベの最後の優勝は96年で、39歳のブフォンでも加入前。W杯優勝も経験し、取り残しているタイトルが今大会だ。「何人かの選手にはあまり時間が残っていない。このチャンスは無駄にしたくない」。自らも含めてベテランが多く、FWディバラ、イグアインら攻撃陣がかみ合っている今季が、優勝への絶好機とみている。

 契約は来季まであり、引退はやんわり否定する。「プレーしているうちは満足したいし、幸せに感じる」。ビッグイヤーと呼ばれる欧州クラブ王者のトロフィーを掲げる夢が原動力になっている。