モナコが17季ぶりの優勝を決めた。欧州CLで4強と躍進した勢いは止まらず、パリサンジェルマンの5連覇を阻止。原動力は育成重視の方針で頭角を現した若手の活躍だった。

 17日の試合で先制点を挙げた18歳のFWエムバペはその筆頭格。今や欧州中の強豪クラブから注目を浴びている。数年前まではパリSGと同様に金満クラブの代表格で、コロンビア代表MFロドリゲス(レアル・マドリード)らスター選手をかき集めていた。しかし大物の移籍で低迷し、育成路線への変更を余儀なくされた。

 本拠地の定員は約1万8000人。富裕層が暮らす土地柄からか、試合中のVIPサロンは大にぎわいだが、観客には空席が目立つ。スタジアムと最寄りの鉄道駅を結ぶ公共交通機関もない。クラブの経営を支えるのは、実績を積んだ若手がもたらす、莫大(ばくだい)な移籍金だ。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「経営手腕が素晴らしい。日本で今、一番望まれているクラブのあり方ではないか」と語る。今後も強豪ひしめく欧州で、独自の存在感を放っていきそうだ。