【パチューカ(メキシコ)19日=八反誠】パチューカの日本代表FW本田圭佑(31)がメキシコリーグ開幕戦を欠場することが確実になった。標高2400メートルの高地への順化もあり、補強の目玉に対しクラブ側は慎重な姿勢。就労ビザ取得などの手続きで調整も遅れ、23日(日本時間24日)のUNAM戦(アウェー)を欠場し、デビューはホーム開幕となる29日(同30日)の強豪アメリカ戦以降となる。

 パチューカ本田の開幕戦デビューはお預けとなることが、確実になった。14日に契約し、15日にメキシコ入り。16日から自主トレーニングを開始し、開幕のUNAM戦に向け急ピッチで調整してきたが、クラブ側がブレーキをかけたようだ。

 パチューカは標高2400メートルに位置する都市。富士山の6合目と同じ高さで、高山病のリスクもある。本田も18日の入団会見で「この状況に適応するのには時間が必要。普通の生活を送っているだけでも、心臓がドキドキする」と話し、慎重だった。UNAM戦の会場のメキシコ市もパチューカとほぼ同じ標高2300メートルに位置する。

 一般に空気の薄い高地では、普通に生活をしていても頭痛や睡眠障害、吐き気や下痢などの症状が出るリスクがあるとされる。日本代表も標高1000メートル超の会場が多かった10年W杯南アフリカ大会で、本田を含む選手たちに入念な高地順化の準備をし、決勝トーナメント進出につなげた。念には念を入れてというクラブの措置も理解できる。

 19日の非公開練習も本田は別メニュー調整だったという。また、20日はリーグ登録のための就労ビザ取得手続きで同じ中米のエルサルバドルへ向かった。とんぼ返りする強行日程で、最速での練習合流は試合2日前の21日になる。連係などを確認する時間もなく、デビューはホーム開幕戦となる29日のアメリカ戦以降。クラブの慎重な姿勢もあり、8月までずれ込む可能性も。主役は遅れてやってくることになる。